「水耕栽培の今とこれからの話」
弊社の水耕栽培システムを導入しているお客様にインタビューをしました。
そのルポです。
自称?女子。最近ダイエットを始めようと決める。趣味は圧倒的に読書。
今回インタビューを受けていただいたT様。自社レストランの材料として使う農作物の栽培全般に関して責任者を務められている。
「T様、こんにちは。今回インタビューを受けていただきましてありがとうございます。
私が入社してすぐに御社の農場に見学に行かせていただいた時、水耕栽培システムをコンテナ内に設置できるのかと驚いたのを覚えています。
今回はホームページに載せる記事として、いくつかご質問させていただきます。
早速ですが、御社が水耕栽培を導入したきっかけはなんですか?」
「宜しくお願いします。
弊社が水耕栽培システムを導入したのは2017年の時です。弊社は高級イタリアンレストランを数店舗運営しており、今までは土耕で自社栽培をしていましたが、オーナーが無農薬野菜をお客様に提供したいと思ったことが最初のきっかけです。
土耕栽培では、虫が付着しないように農薬を使用します。また栽培時期によって台風や長雨など気候変動によって栽培可能数量が変わってきます。
水耕栽培にすることで、無農薬野菜を提供できること、生産量が安定して計画栽培が可能になることに大きな魅力を感じていました。
そんな時、MASさんと知り合うことができたんです。」
(写真はコンテナ内)
「そんな経緯があったんですね。水耕栽培は無農薬でできることは強みの一つなので、お力になれて光栄です。T様は御社の水耕栽培導入時から関わっていらっしゃいますものね。以前から水耕栽培や農業に従事されていたんですか?」
「ここに来るまでは、実家の農業を手伝う程度でした。土耕栽培の農業を最初に手掛けたのですが、その土地に合わせて土を作っていかなければならないこと、天候により作物の成長が変わること、不作の年が出ることなどと悩みが尽きませんでした。」
「土耕栽培はいわゆる不確実性が高く、ノウハウを会得するまで相当な苦労を要するという難しさがありますよね。」
「はい。栽培作物としてはバジルなどの洋野菜、一般的な大根やニンジンなど外部から栽培情報を入手できない野菜を栽培することが多く、自力で情報を入手するなど勉強が必要でした。」
「そのご経験があるからこその今なんですね。T様は本当に知識が豊富で、ご自分で工夫されて植物を育てていらっしゃるので、私としては植物の育て方など逆に教えていただくこともありました(笑)
現在水耕栽培のシステムではどんな野菜を作られているのですか?」
「イタリアンに必要な作物がメインになります。サラダによく使うリーフレタスや小松菜の赤色系などがメインですが、添え物や隠し味として使うハーブ系のルッコラ、ワサビ菜、タイバジル、最近ではフェンネルの小さいスティキオなども栽培しています。毎朝野菜を摘んで、新鮮な状態で来店されたお客様に提供できるので、お客様からも喜ばれています。」
(写真は植物の成長の様子)
「水耕栽培はその場で採れて新鮮な野菜を食べれることも大きな強みですね。エンドユーザーの方にも喜んでいただけて何よりです。
システムはお一人で管理されているんですか?」
「現在2名で管理していますが、通常作業は1名で十分です。基本的には、朝一で養液の量と濃度の確認をして栽培状況を見ています。状況により、養液の追加や、収穫するものがあれば収穫し袋詰めをして出荷します。
あとは夕方に再度来て、一日の最低・最高温度や、湿度などの環境記録をしていますね。」
「水耕栽培は土耕栽培に比べて人の手がかからないので、少人数でもシステムを回すことができますよね。
メンテナンスはどのように行っているのですか?」
「はい。メンテナンスは自分で実施しています。やはり設備なので定期的なメンテナンスは必要です。ある程度の生産計画を立てているので、ラックの空き状態を見ながらギャレー清掃を行っています。養液供給用のチューブについては、チューブ内に汚れが溜まると詰まりの原因になるので、一日のチェックリスト項目に加えています。ちなみにこのチューブは、養液によるチューブ内部の変色が取れなくなったら交換をするくらいです。
数か月に1回は全て解体して中を綺麗に掃除するということはしていますが、今後メインの供給・排出の配管の内部の汚れが気になりだしたら、配管の交換を検討する予定です。」
「細かなメンテナンスを行っているんですね。具体的なところまでありがとうございます。交換の際はぜひ弊社にお申しつけください。
水耕栽培システムを扱うにあたって困っていること、苦労されていることはありませんか?」
「一番困ったのは停電の時です。昨年、大きな台風が来てこの地域全体で大きな停電が発生しました。ポンプやエアコンなどがすべて止まり、種まきからやり直すことになりました。」
「雨風は凌げますが、停電は確かに対策が必要ですね。弊社としても対応を検討していきます。
最後になりますが、御社が今後やりたいこと、チャレンジしたいことはありますでしょうか?
「同じ野菜でも用途によっては味の変化がほしいので、野菜の味を濃くする方法を検討したいと思っています。」
「なるほど。弊社の水耕栽培で扱っている養液は、栄養成分の内容・分量をすべて明らかにしています。それぞれ調整して、植物の味を変えるのは理論上可能ですね。タイメーカーへ問い合わせします。」
「お願いします。」
「以上になります。今回はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。今後とも変わらぬお付き合いを宜しくお願い致します。」
T様、お忙しい中、どうもありがとうございました!